peachum classics vol.2
「怒りを込めてふりかえれ」」
原作 : ジョン・オズボーン
脚色 : 清末浩平
演出 : 川口典成
2010年3月19日(金)〜2010年22日(月)
@シアターPOO
燃えるような若さを持ちながら、停滞した社会の中で苛立ちばかりをつのらせる、労働階級の青年ジミー。生まれ育った家を捨ててジミーと一緒になった、上流階級出身のアリソン。町の片隅のアパートを舞台に、彼らの傷つけあう姿と脆い愛情を描き、戦後のイギリスで熱狂的なブームを巻きおこした名作。「怒れる若者たち」は半世紀を経た日本で、どのような転生を果たすのか。
演目選びの際、劇団の作家から『怒りを込めてふりかえれ』はどうだろうと提案された。はっきり言うと、つまらないだろうと思っていた。名作として名高い作品であるが、さすがに古臭いだろうと。で、読んだ。はっきり言う。面白かった。五十年以上も前に書かれた戯曲であるにも関わらず、いま現代に生きている作家からそっと手渡されたような、そんな衝撃だった。この戯曲の世界には、《今》がこれでもかと詰め込まれている。
とにかく喋りまくる芝居です。言葉を喋ることで、お互いの関係性を築き、そして一方で破壊する。そんな言語の原初的風景と日常のリアリズムとの幸福な融合を、どうぞ劇場まで観にいらして下さい。決して後悔はさせません。どうぞよろしくお願い致します。