peachum classics vol.3
「ビヂテリアン大祭」」
原作 : 宮沢賢治
脚色 : 清末浩平
演出 : 川口典成
2010年4月30日(金)〜5月3日(月)
@シアターPOO
世界じゅうの菜食主義者の集まるビヂテリアン大祭が、ニューファンドランド島で開催された。晴れわたった空に祭りの花火があがり、ビヂテリアンたちは感動の涙を流して祝福しあう。しかし、会場には畜産組合のまわし者がもぐり込んでおり、あらゆる論理を駆使してビヂテリアンを攻撃、そして始まる抱腹絶倒の演説バトル!宇宙的規模の生命讃歌たる宮沢賢治の異色童話を、果敢に舞台化する。
ピーチャム・クラシックス第3弾として上演するのは、宮沢賢治の『ビヂテリアン大祭』である。初めてこの小説を読んだときから、いつか舞台化したいと思っていた。ビヂテリアンと畜産組合の演説合戦・論説闘争は、知的でユーモラス。小説中のすべての登場人物が、馬鹿馬鹿しいほどピュアで愛くるしい。「食べる」という行為を巡って話が展開していく中で、言葉のイメージは縦横無尽に飛び回る。そのような小説を舞台へと立ち上げる作業に、いま非常にわくわくしている。上演としては、小説中に描かれている「ビヂテリアン大祭」を、そのまま忠実かつ大胆に、再現しようと思う。その祝祭を通じて、観客のみなさまとともに、生きとし生けるものの命を、言祝ぎたい。