遠い異国、MIKADOの国の、ニッポンに近似した幽霊をめぐって。
1885年にサヴォイ劇場にてギルバート&サリヴァンによる"The Mikado"が幕をあけた。日本を舞台にしたコミックオペラである。描かれた日本では、ミカドが制定した「いちゃつき禁止法」によって人々は男女間でウインクすることも手を繋ぐことも出来ない。法を破ると死刑になるのだ。ティティプーという町では、その法を掻い潜るために、「いちゃつき禁止法」によって死刑を宣告された人物を死刑執行人に任命する。自らの首を切るまでは他の人物に刑罰を処してはならないという条件つきである。ティティプーの町はこれで安泰かと思われたが、ミカドは死刑が行われていないことを咎める。さて、誰かの首を献上しなければならない。どうするか。そのときちょうどティティプーの町には、さまよえる皇太子があらわれて……。という筋書きだ。
"The Mikado"を観ながらロンドンの観衆はなにを思ったのだろう。「政治」が不在の、奇妙で野蛮で不思議な国、ニッポン。当時、日本は近代国家として歩を進め始めたところだった。
我々はこのように表象されたニッポンのイメージの前でどのように演じることが、演じ返すことが出来るだろうか。前作『美しい星』(原作三島由紀夫)における問題系のその先で、「日本」をめぐる表象=上演の意味を思考・試行し、探求する。
浅倉洋介、金崎敬江(miel)、丸房君子
構成・演出/川口典成(ピーチャム・カンパニー)
制作/森澤友一朗(ピーチャム・カンパニー)
宣伝美術/今城加奈子
主催:ピーチャム・カンパニー
前売券(事前入金):3000円(チケット送料込み・振込手数料は別途ご負担いただきます)
当日精算券・当日券:3300円
※12月8日以後のご予約は、当日精算券のみの扱いとなり、チケットは当日受付にご用意いたします。この場合、料金は3300円となります。
2013年12月13日(金)~12月17日(火)
開演時間を過ぎますとご入場になれない場合がございますので、あらかじめご注意ください。
受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前です。
上演時間:70分
<トークセッション>
★の回の終演後、トークセッションを実施いたします。
16日(月)20:00- 鴻英良(演劇批評家)+梅原宏司(立教大学兼任講師・文化政策研究者)+ピーチャム・カンパニー